節税と裏技

タワ-マンション節税最高裁判例に対する追加意見(動画)

音声のみ)⇒大きな画面はYouTobe文字をクリック)
本件、過度な相続税節税事件に対する税務関係者の反応がユ-チュ-ブ等でよく見られますが。その中で相続税路線価が安くなるかの誤った弁明がされていますが、これに対し不動産鑑定評価基準に基づく適切なマンション敷地価格の求め方を提示します。
1.<土地価格(路線価)が安くなることの弁明>
タワ-マンション敷地は建物の部屋数が多く、土地面積を多くの世帯数で割り込むから1世帯当りの土地面積が少なくなり相続税の路線価が安くなるということです。国税庁の路線価設定価格に誤りは無く、本件は路線価評価では適切な時価が求められない事案に当たるそうです。
2.<マンション開発業者の土地価格の求め方>
(1)収入
1世帯当たりの販売価額 × 販売可能な世帯数
(2)費用
①建築費(世帯数が多く建築費は割高)②販売管理費(1世帯販売と100世帯販売とでは費用や販売期間が大きく異なる)③造成費等(整地費、ガス水道敷設費等)、④借入金利、⑤近隣対策費等
(3)残余価値が土地価額     (1)収入-(2)費用
<結論>
(1) 多くの所有者が存することは販売戸数が多く、土地から得られる収入も高くなる。同時に販売に係る費用もかさむとしても、多くの場合、収入が増えれば利益も増えるという相関関係が成り立ち、投資メリットが存する以上、開発業者は当該土地に投資します。
税務関係者の弁明に依る土地価格の安さの理由は、現実の市場論理を理解しないことの間違いです。逆に、収入増が見込まれる土地であれば、標準的画地よりマンション適地の価格は高くなります。
2)控除価格(投資採算価格)に一定の利益率を乗じた価格で業者は販売し、控除価格と取引価格(比準価格)との間には相関関係があり、税務関係者の弁明理由(土地所有者の多さ)に基づき国税路線価と比準価格との著しい乖離を正当化すること間違いです。
(3留意点: 
① 本件は、相続税路線価や固定資産税評価額が市場実態に即した時価を反映する路線価等が提示されておれば、このような過少申告による重課税はされなかったはず。
② 納税者は当該マンションを時価で購入し、短期間で時価で売却している。これにより自らの税務申告が過小申告に当たると自覚できたはず。
国税庁は本件納税者に重課税を課すための時価を不動産鑑定士に評価させている。不動産鑑定評価基準に基づく時価は適切な市場時価であり、公示価格と同水準の価格である。又、相続税の課税評価(路線価)は公示価格の8割を目安とするから、本件納税者に対しても鑑定時価の8割を基準に課税額を算定すべきであった。そうでないと他の納税者との公平性を著しく損なう課税額となる

訴訟概要へリンク

お勧め記事