タワ-マンショ借入借入れによる過度な節税対策

(一)タワ-マンションは時価と路線価との乖離が大きい
1.不動産評価を介した相続税対策の基本
(1) <概要>
① 被相続人の当初財産7億円(相続税評価額)、
②タワ-マンション2棟を13億8,700万円で購入、
③この際、金融機関から10億円の借入を行う。
④当該タワ-マンション2棟の相続税課税標準額は3億3,400万円
(2) <収支>
相続発生時の被相続人資産は、他資産7億円と3億3,400万円(タワ-マンション)、負債は10億円(借入額)
(3) <課税標準額>
相続発生時における被相続人の財産
7億円+3億3,400万円(タワ-マンション)-10億円(借入額)= 3,400万円。結果として3,400万円は基礎控除額以下で課税なし。
2.不動産に係る節税のル-ル
(1)時価と国税評価と相当額の乖離が生じていること。
(2)上記乖離を補填するため被相続人に相当額の借入金があること。
本件では、相続税評価額と実勢時価との格差は、相続税価額が実勢時価に対し24%しかありません。
(二)定期借地権設定と交換による課税繰延
(1)定期借地権設定概要
土地の時価3億円(相続税評価2億4,000万円)、容積率300%、地積1,500㎡、借地期間40年、地代540万円/年、公租公課等115万円、土地に係る利回り4.0%。
(2)不動産鑑定評価での底地価格概算
(ア)底地 価格の査定
①収益の総額・・(540-115)万円×19.793(40年・4.0%の年金現価率)=8,412万円
②土地の復帰価格・・30,000万円×0.208(40年・4.0%の複利現価率)= 6,240万円
③底地の収益価格・・・①+②=14,652万円
(3)推定借地権価格
①概ね、底地価格+借地権価格=更地価格であるから、30,000万円(更地)-14,652万円(底地)= 15,348万円
(4) 固定資産税の交換対象となるか。借地権価格に対する底地価格割合 が20%以内にあり交換による課税繰延対象となる。15,348万円 × 80% < 14,652万円

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