不動産の法人化で安心老後

現在、個人所有の不動産の法人化(法人所有)の殆どが無償返還届出書を税務署に提出し中古建物のみを法人所有とします。このやり方は土地及び建物の各々の所有者が連名で所定の申請書を税務署に提出するだけで良く、民法民法等の法律の知識や不動産鑑定評価の知識は不要です。
ぬ攝返還届出方式は以下のメリットがあります。

①高額な権利金の支払いが免除される。
②適正地代以下の安い地代が設定できる。
③建物賃料の全部を 建物所有者の法人口座に入金させることが出来る。
④土地(被相続人所有)に係る相続税につき、被相続人が法人の株主でなければ自用地の20%減の土地価値で相続評価できる。
デメリットは以下の通りです。 

①高額な土地の相続税が子孫代々課税され、やがては土地を失う。
土地の購入に際し、自用地(更地)価額で購入することとなる。
これから分かるように高い土地を個人で所有すれば、よほど収益性の高い事業に土地が利用されていない限り、高い課税で土地を失う可能性が高く、無償返還届出方式に拠る土地利用は被相続人に対する課税対策にはなりません。
安い建物購入代金で家賃収入の全部が得られることは投資利回りが150%や200%となり、親(被相続人)が子の会社に共同住宅建物を売却することで家賃の全部を失い、生活に困窮するだけです。 

<定期借地権設定方式による建物利用権の設定>
(1)定期借地権設定方式は無償返還届出方式のメリットの全てを持ちます。更に賃貸人の地位の留保に拠り3階建の賃貸マンションの3階部分は今まで通り旧所有者の口座に賃料が入金される設定が可能となることを意味します(605-2)。
(2)金を掛けずに土地の法人化を図る観点からは定期借地権の設定に拠り土地が底地と定期借地権に分かれるため、底地の買取や底地と借地権の交換等の選択が可能となり、更に一定期間が経過すれば建物の買取も可能となる契約条件も付せられます。
これに拠り土地(課税の繰延)と建物(借地権の消滅)が、殆どが金を掛けずに法人化できます。

(3)
<法人化で安心老後>
当社が目指すものは13億のタワ-マンションを購入し、銀行から10億円の借入を行う資産家のための過度な節税でなく、庶民感覚のささやかな節税です。
当社は個人所有の土地・建物を法人所有に変えることを時間を掛けて研究してきました。最小の出費で土地の法人化を図るには、不動産鑑定評価、税務、借地借家法等の複合的な運用が求められます。特に底地と借地権との交換は不動産の評価の運用が重視されます