(1) 次の世代に土地を残すには
ⅰ.高額な土地を個人で所有することは困難
土地資産が50億円とし相続人が配偶者と子供1人の場合、50億円-(3000万円+(600万円☓2人))=49億5800万円に対し、配偶者は法定相続分までは無税なので子のみが課税され、その額は(49億5800円☓1/2)☓55%-7200万円=約12億9千万円。又、5年後に高齢の配偶者が死亡したとすれば、二次的に子は父の場合と概ね同額の相続税を払うことになり、支払う相続税は約2倍の25億8千万円となります。現金がないから土地を売却して調達すれば、更に土地の譲渡益に対し所得税や住民税等が課税されます ⇒ 概ね20年毎に相続が繰り返されれば、次の世代に土地を残すことは困難です。
ⅱ.無償返還方式での借地権価値はゼロ
賃貸建物(共同住宅や店舗・事務所等)を個人で経営するより法人で経営する方が税制面で有利なため、同族法人を設立し経済的負担の少ない建物のみを買取り、土地利用権(借地権)は無償返還届出署を税務署に提出すれば、権利金の支払いが免責され、地代も公租公課の2倍~3倍で済みます。権利金の免責と無償での借地権の返還を根拠とし、借地権価値はゼロ評価とされます。
ⅲ.定期借地権方式に変更
無償返還方式の場合、土地の法人化に際し底地を更地価格で買い取る必要があり(底地+借地権((ゼロ)=更地)、借地権価値がゼロ故に単独で借地権の売買や交換ができません。現在、建物のみを買取り無償返還方式で土地利用権を確保するのは、土地の価額が高くて買取りから出来ないからです。土地の買取りで土地の法人化を図ることは経済的負担が大き過ぎます。手法を売買から交換に変えるべきです。売買は現金が必要ですが交換は土地と土地との物々交換であり現金を必要としません。それには土地利用権を無償返還方式から定期借地権方式に変更する必要があり、下記書類を税務署に提出します。
①土地の賃貸借契約解除合意書、②定期借地権設定契約書、③借地権者の地位に変更がない旨の申出書。④当初締結した無償返還届け書の写し。
(2)底地と定期借地権との交換
ⅰ.土地の所有編を個人から法人に移するには
定期借地権は設定に際し、権利金の支払いの慣習がありません。地代の法的な支払規定もありません。又、定期借地権は期限付借地権なので経済価値を有し単独で売買や交換が可能なため、土地の所有権を個人から同族法人へ移せます。
自用地に定期借地権を設定すれば、土地は底地と定期借地権に分離され、定期借地権者である同族法人が底地を(底地価格で)買い取れば混同により土地は自用地となります。
交換でなく買取りの場合、個人は法人に時価の1/2以上で底地を売却すれば低廉譲渡とは見なされません。これに対し、法人は時価と購入額との差額が受贈益として法人税の対象となります。これが最小の費用で土地の法人化が図れるベストなやり方ですが土地が高額になれば、やはり経済的負担に耐えかねます。
次に、買取りでなく交換すればどうなるでしょうか。ⅱ.底地と定期借地権との全部交換(所得税法58条)
全部交換により被相続人は底地所有者から定期借地権者に変わり、この状態で相続が発生すれば相続税は定期借地権に対し課税されます。定期借地権の価値は主に適正地代と実際支払地代との差額(借り得分)の総額の現在価値なので、適正な地代を支払っていれば借地権価値は過小となり相続税も少額となります。それには底地と定期借地権との等価交換の成立が条件です。交換の場合、高い方の価格の20%以内ならば(価格上の)等価交換が成立し課税の繰り延べが可能となり、交換時に於ける所得税や住民税が非課税となり且つ、当事者が合意すれば交換差金の支払も必要ありません。課税の繰延べとは将来当該交換地を売却する際に、当該地を取得したときの当初取得価額をそのまま取得価額とすることです。
ⅲ.非上場の株価対策(交換のタイミング)
土地の法人化の達成で被相続は個人が所有する不動産の相続税からは回避できますが、法人の財産に土地資産が加算されることで非上場株の価値が上がり、被相続人が法人の株を所有していれば、当該株価が上昇します。そのため土地の法人への移転時期は重要です。
(3)交換における注意事項
ⅰ.交換は現金を介在させない物々交換
交換は双方の価額格差が問題とされ、現金を介在させずに土地の所有権を個人から法人に移せます。
ⅱ.(建物+借地権)と底地とを交換するな!
建物価額は交換差金と見なされ建物価格次第では(交換対象の土地価格の20%以上)、等価交換が否認されるため建物は交換でなく売買の対象とすること。
ⅲ.等価交換が否認された場合の措置
仮に税務署から等価交換を否認されれば単なる売買と見なされ土地の譲渡益に対し、双方に多額の税金が課せられる可能性が高くなります。この対策として民法127条1項の停止条件付き契約とし等価交換が否認された場合、契約を白紙撤回できる契約とします。
ⅳ.解約期間内における中途解除
借地人の個人的事情で契約解約を申し出て、底地所有者がこれに同意すれば中途解約が有効となります。その際、自らの事情で解約を申し出た借地人は明渡し費用等の請求はできません。更に、定期借地権は財産であり、これを同族法人に無償で返還することは相応の財産を贈与したと見なされ、返還を受けた法人は受贈益に相応する課税がされることとなるため、事前に返還に対する支払額を決めておく等の対応が必要です。なお、契約の解約により建物と共に定期借地権が返還されれば、土地は完全所有権の自用地になります。なお、中途解約を実現させるには当初契約書で解約権留保特約を設けておく必要があります。
(4)当社が行うこと
(ⅰ)等価交換の実現性が高い契約書の作成、その他の特記事項に係る書面の作成、等価交換成立・立証のための不動産鑑定評価書の作成を行います。
(ⅱ)契約書作成以前に定期借地権や底地の評価を行ってみれば、等価交換成立の可能性の可能性は概ね判断できます。
(ⅲ)可能性の低い案件については事前にお知らせします。
(5)既に無償返還届けによる借地権を設定している方へ
現在の契約を解約し、定期借地権設定契約に変更します。
契約内容を定期借地権と底地との等価交換の成立可能性が高い契約内容に全面変更します。等価交換の成否は契約内容が総てです。内容に不備があれば等価交換は成立しません。契約内容は弁護士とも協力して作成します。
*本件は税務計算や法律解釈等につき当社の知識・経験の外にAIを参考としておりますので、より正確さを求める場合は自身で確認してください。
⇒ 等価交換に関する詳細は最小の費用(資金)で土地の法人化にリンク