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相続税路線価での売買が低廉譲渡とならないことの意味

相続税評価額を売買価格にはできない

1.<土地売買で相続税路線価での取引額は否認されるか>
市場時価で1億円なら相続税路線価格ベ-スでは8千万円となります。一般の取引は売買利益が生じれば法人では法人税法、個人では所得税法で処理されます。従って、差額2千万円は受贈益と見なされ課税対象となります。但し、東京地裁は2割程度安いのであれば市場取引において著しく安い取引額とまでは云えないとしました。2割という差額は相続税路線価が公示価格の9割であっても関係ないものです。相続税法でなく法人税法での処理として許容されるのです。
2.<不動産鑑定士の利用>
上記の例で個人が法人に1億円の土地を売却した場合、1/2の5千万円以下の取引額でなければ個人は低廉譲渡と見なされません。これに対し購入した法人は差額の5千万円は受贈益と見なされます。
不動産鑑定評価は評価額を求める際、公示価格等との規準を求められます。公示価格との均衡が容認されることで適正な評価額とされるのです。
公示価格については個人間の取引ではこれを指標とするよう努める必要があり、行政が用地売買等での補償額を支払う場合はこれを指標とする義務を求められます。
当該地価公示法に基づけば市場時価1億円とされる不動産鑑定評価額に対し8千万円で取引した場合、法人が2割程度安く取引した事につき多岐にわたる市場取引において著しく安く購入したとまでは云えないことになり、判例の観点からは受贈益は課されないことになります。
3.<相続税評価(財産評価基本通達)手法の盲点>
財産基本通達は大量一括評価手法です。規模の大きな宅地評価につき三大都市圏では500㎡以上の土地は一般住宅地等では土地の細分化を前提とし一律に大幅減額されます。
これに対し499㎡の土地は間口・奥行関係等のわずかな減額しかされません。しかし、市場では両者は何れも細分化換金されます。
個人間の取引は個別評価で行われ、500㎡と499㎡とが著しく異なる取引額とはなりません。更に、開発行為となるか否かは土地規模だけでなく、土地の区画の変更を伴うか否かも必須条件となります。税務署職員や税理士に対して規定の定数を入力する査定評価しか容認しない財産評価通達はこれを適用する者の独自の判断を容認しないのです。通達評価手法に誤りがあっても、正しいと思える手法で職員等が自らの判断で評価することは逆に誤りとされるのです。この矛盾を正せることはできるのでしょうか。⇒ あります。

最高裁判例時価は時価につき、「市場における客観的な交換価値」と判示します。客観的交換価値とは誰が見ても妥当と思える価格を指します。最高裁判例との整合性を欠く行政通達は無効です。